Notionカスタムエージェントの教科書
本記事では、2026年2月に登場したNotionの新機能であるカスタムエージェントについて解説します。従来のNotion AIとの違いやできること、作り方や料金体系まで、業務での具体的なイメージがわくように整理してお伝えします。
目次
カスタムエージェントとは
2026年2月、Notionの新機能カスタムエージェントがリリースされました。従来のNotion AIは、ユーザーが指示して初めて動く「チャット型AI」でした。一方、カスタムエージェントはトリガーを設定して自動で動く、目的別の専用AIです。24時間稼働し、特定のタイミングで自律的にタスクを実行できるのが最大の特徴です。
いわば、Notionワークスペースにもう一人のチームメイトを迎え入れるような機能です。メールの下書き作成、タスクの通知、会議メモの要約配信など、繰り返し発生する業務をあなたの代わりにこなしてくれます。
本記事ではカスタムエージェントの使い方や実際の活用事例をお届けします。
本記事の内容の一部は動画でも解説しています(約10分)
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カスタムエージェントでできること
カスタムエージェントの最大のポイントは「トリガー」を設定できることです。ZapierやMakeのように「何かが起きたら、何かをさせる」という自動化の仕組みを、Notion内で完結できるようになりました。
トリガーの種類
設定できるトリガーは以下のとおりです。
| トリガー | 内容 |
|---|---|
| 繰り返し | 毎日○時、毎週○曜日など、スケジュールを指定して定期実行 |
| Slackメッセージ投稿時 | 特定チャンネルへの投稿を検知して実行 |
| Notionページの作成・更新時 | ページが追加・変更されたタイミングで実行 |
| Googleカレンダーのイベント作成時 | 新しい予定が作られたら実行 |
| メール受信時 | Gmailなどでメールを受信したら実行 |
もちろん、従来どおりAIエージェントを手動で呼び出して実行することも可能です。
アクションの例
トリガーをきっかけに、エージェントが実行できるアクションも多彩です。
- WebサイトやNotion内の情報の抽出・要約・分類
- データベースへの自動書き込み(タグ付け・カテゴリ分けなど)
- 外部サービスへの送信(Slack・Gmail・Googleカレンダーなど)
カスタムエージェントの作り方
カスタムエージェントの作成は、シンプルに行うことができます。
STEP 1. 新しいエージェントを作成する
サイドバー左下の「エージェント」セクションから「新しいエージェント」をクリックし、「空白を作成」を選択します。
サイドバーから「新しいエージェント」を選択
「空白を作成」を選択
まずはアイコンと名前を設定します。
好みのアイコンを作成できる
STEP 2. トリガーと手順を設定する
右上の「設定」ボタンから設定ウィンドウを開きます。設定するのは、以下の2点です。
- ①トリガー:いつ・何をきっかけに実行するか
- ②手順:AIに何をさせるか(プロンプト)
トリガーを追加し、手順を設定
手順欄には、プロンプトを直接書き込むこともできますし、別ページにプロンプトを記述してリンクを指定する方法もあります。プロンプトが長くなる場合は、別ページ管理を活用するとすっきりするのでおすすめです。
STEP 3. ページアクセス権限を付与する
セキュリティ上、エージェントはデフォルトではNotion内のすべてのページを読めるわけではありません。アクセスさせたいページに対して、読み取り権限・編集権限を個別に設定する必要があります。
まず、アクセスさせたいページを選択し、追加します。 権限を与えたいページを追加
次に、どの範囲を権限を与えたいかをそれぞれのページに対して設定します。 与えたい権限の範囲を選択
STEP 4. 保存して実行
設定が完了したら保存します。
「保存」ボタンを押す
エージェントが作成したコンテンツの作成者欄にはエージェント名が表示されるため、誰(どのエージェント)が行った作業かもひと目でわかります。
作業を行ったエージェントは作成者として扱われる
気軽に機能を試したい場合には、テンプレートの活用もおすすめです。Notionには用途別のエージェントテンプレートが用意されています。また、Notion AIにチャットで「こんなエージェントを作って」と依頼するだけで、トリガーやアクションを自動で設定してもらうことも可能です。
活用例
カスタムエージェントの活用パターンを3つご紹介します。
1. Gmail自動下書き作成エージェント
メール対応の手間を大きく削減できる、問い合わせ対応向けのエージェントです。新着メールをトリガーにして、過去のやり取りを踏まえた返信案を自動で用意してくれます。
Gmail自動下書き作成エージェントの利用イメージ
トリガーの例: Gmailで特定ラベル(「問い合わせ」など)が付いたメールを受信したときに実行する。
アクションの例: 対応履歴DBとメール本文を参照し、返信の下書きを作成する。
プロンプト例: 「受信メールの内容と過去の対応履歴をもとに、丁寧な日本語の返信文の下書きを作成してください。」
2. Q&Aエージェント
社内のナレッジベースを活用して、Slack上の質問に即座に回答するエージェントです。質問が投稿されたタイミングでドキュメントを検索し、一次回答案を自動で提示します。
Q&Aエージェントの利用イメージ
トリガーの例: Slackの「#help」や「#質問」チャンネルにメッセージが投稿されたときに実行する。
アクションの例: 社内ドキュメントやFAQデータベースを検索し、見つかった情報をもとに回答文を生成する。
プロンプト例: 「Slackに投稿された質問文を読み取り、社内ドキュメントを検索して回答案を作成してください。回答が不確かな場合は、その旨も明記してください。」
3. レポーティングエージェント
データベースやSlackの情報を集約して、定期レポートを自動生成するエージェントです。決まった曜日・時刻に、最新の進捗をもとにしたレポートを自動で作成できます。
レポーティングエージェントの利用イメージ
トリガーの例: 毎週月・水・金の9時に自動実行する。
アクションの例: プロジェクトDBから期日やステータスを集計し、今週やったこと・課題・次のアクションをまとめたレポートページを作成する。
プロンプト例: 「プロジェクトDBから直近1週間のタスクを集計し、『今週やったこと』『現在の課題』『次のアクション』の3見出しで週次レポートを作成してください。」
その他の便利機能
カスタムエージェントには、さらに活用の幅を広げる機能も用意されています。
- Webアクセス:オンにすることでWeb検索から情報を収集できます。
Webアクセスの有無を操作
- MCP(Model Context Protocol):Notionが標準対応しているサービスや、カスタムMCPサーバーのURLを入力して外部ツールと連携可能です。
- モデル選択:GPT-4oやClaude 3.5など、最新のAIモデルから選択できます。ベータ版として、消費クレジット数が低い「MiniMax M2.5」モデルの提供もあります。(消費クレジット数の扱いについては後述)
低コストの「MiniMax M2.5」も利用可能
料金と注意点
現在は無料で試せる
パブリックベータ期間中(〜2026年5月3日)は、追加料金なしで利用可能です。この期間にしっかり使い込んで、自分のチームにとってどのくらいの消費量になるか確認しておくのがおすすめです。
5/4以降の料金体系
2026年5月4日より、「Notionクレジット」による従量課金制に移行予定です。価格は1,000クレジットあたり10ドル(約1,500円)で、エージェントを実行するたびに処理の複雑さに応じてクレジットが消費される仕組みです。
目安として、Q&Aエージェント(Slackで質問を受けて社内ページを検索し、短い回答を返すケース)であれば、1回あたり30〜50クレジット程度です。一方で、大量の情報を読み取ったり、複数のツールを連携させたり、多くのステップを踏む複雑な処理ほど、消費クレジットは大きくなります。
自分のチームがどのくらいクレジットを消費しそうかは、設定画面から確認できます。(「設定」→「Notion AI」→「Notionクレジットポイント」)ベータ期間中に使い込んで、消費量の感覚をつかんでおきましょう。
利用状況やこれからの推定を確認
注意:利用できるプランに制限があります。 カスタムエージェントはビジネスプラン以上のユーザーが利用可能です。導入前に自身の契約プランを確認しておきましょう。
まとめ
カスタムエージェントは、Notion AIを「聞かれたら答えるアシスタント」から「自律的に動くチームメイト」へと進化させる機能です。トリガーの設定で自動実行ができるようになったことで、これまで手作業で行っていた情報収集・要約・レポート作成・メール対応などを、24時間稼働のAIに任せられるようになりました。
パブリックベータ期間中は追加料金なしで利用できるので、まずは気軽に1つエージェントを作って試してみてください。