Notionのリレーション機能とは?設定方法から応用テクニックまで徹底解説

Notionのリレーション機能とは?
Notion のリレーション機能は、データベースのプロパティの1つで、複数のデータベース同士を関連付けることができる強力な機能です。せっかく Notion を使うならぜひマスターしておいてほしい機能の1つです。
例えば「プロジェクト」と「タスク」という2つの別々のデータベースがあるとき、リレーション機能を使えば、特定のプロジェクトに紐づくタスクを簡単に関連付けることができます。プロジェクトに紐づいたタスクを確認しつつ日々のタスク管理を進めたり、各データベース間の情報を行き来しながら効率的に管理できるようになります。
実際に使用している例:プロジェクトと紐づいたタスクを表示させている
今回の記事では、このリレーション機能の使い方を初学者にもわかりやすく解説していきます。
Notionリレーションの基本的な使い方(設定方法)
今回の記事は動画でも詳しく解説しています
リレーションを設定したいデータベースを準備する
リレーション機能を使うには、まず連携させたい2つのデータベースを準備する必要があります。今回は、「プロジェクト」データベースと「タスク」データベースを作成してそれぞれをリレーションで連携させていきます。
データベースの作成は、Notionページ内で /database
と入力します。インラインもしくはフルページを選択してください。
スラッシュコマンドからデータベースを作成
それぞれのデータベースには、最低限必要な情報をプロパティを設定しておきましょう。例えば、プロジェクトデータベースには「プロジェクト名」「期限」「担当者」、タスクデータベースには「タスク名」「ステータス」「担当者」などを設定しておきます。
プロジェクト DB とタスク DB を作成
リレーションプロパティの追加と設定
データベースが準備できたら、リレーションプロパティを追加します。プロジェクトデータベース側に、以下の手順でタスク DB とのリレーションを追加していきましょう。
1. 「+ プロパティを追加」をクリックして新しいプロパティを作成(画像)
リレーションプロパティを作成
2. 「リレーション対象」をクリックして選択(画像)
リレーション対象を選択
3. 「リレーションを追加」を選択(画像)
リレーション追加
ここまででリレーションの設定は完了です。
関連付けたいページの選択・追加方法
リレーションプロパティを設定したら、実際にデータ同士を関連付けていきます。
1. リレーションプロパティのセルをクリック(画像)
リレーション追加
2. 該当するデータをクリック(画像)
該当するデータをクリック
複数のページを関連付けたい場合は、同じ手順で追加していきます
3. 関連付けたページは、セル内にリンクとして表示(画像)
関連付けたページは、セル内にリンクとして表示
このリンクをクリックすると、関連付けたページに直接移動することができます。
リレーションしたページの確認と削除
関連付けたページを確認するには、リレーションプロパティのセルをクリックして表示されるポップアップで確認できます。
関連付けを削除したい場合は、下記の手順でおこなうことができます。
1. リレーションプロパティのセルをクリックしてポップアップを表示(画像)
リレーションされているデータをクリック
2. 削除したいページの横にある「-」をクリック(画像)
「-」アイコンをクリックしてリレーション解除
覚えておきたいリレーションの設定
リレーション機能にはいくつかの応用的な機能が存在します。これらをマスターすることで、より効率的なデータ管理や複雑なワークフローの構築が可能になります。主な応用機能として、単方向リレーション、双方向リレーション、自己参照リレーションなどがあるので、これらの機能をそれぞれ詳しく解説していきます。
単方向リレーション
単方向リレーションは、一方のデータベースから他方のデータベースを参照する最もシンプルな関連付け方法です。デフォルトでは、リレーションを設定すると単方向リレーションになります。
オフにすることで単方向リレーションとなる
例えば、「タスク」データベースに「プロジェクト」というリレーションプロパティを追加した場合、タスクからプロジェクトを参照できますが、プロジェクトからタスクを直接確認することはできません。
単方向リレーションのメリットは、データベース構造がシンプルになり、表示されるプロパティの数を1つ減らすことができることです。ただし、逆方向からの参照ができないため、データの関連性を双方向から確認したい場合には不十分かもしれません。特に強い目的がない限り、基本的には後述の双方向リレーションを設定しておくのが無難です。
双方向リレーション
双方向リレーションは、二つのデータベースが互いに参照し合える関連付け方法です。一方のデータベースでリレーションを設定すると、もう一方のデータベースにも自動的に逆方向のリレーションプロパティが作成されます。
双方向リレーションをONにする
双方向リレーションの大きな利点は、どちらのデータベースからでも関連情報を確認・編集できることです。例えば、プロジェクトデータベースから関連するタスクを直接確認したり、タスクデータベースからプロジェクト情報を参照したりできます。また、一方のデータベースでリレーションを更新すると、もう一方のデータベースにも自動的に反映されるため、データの整合性が保たれます。
自己参照リレーション
自己参照リレーションとは、同じデータベース内のページ同士を関連付ける特殊なリレーション方法です。あまり自己参照をそのまま使うことはないかもしれませんが、後述の「サブアイテム」と「依存関係」は内部的にはこの自己参照リレーションの技術を使用しています。
自己参照の場合にはマークが表示される
サブアイテム
サブアイテムは、自己参照リレーションの代表的な活用例です。タスクの親子関係や項目の階層構造を表現できます。
親子タスクが表現
例えば、タスクデータベース内に「親タスク」というリレーションプロパティを設定することで、サブタスクから親タスクを参照できるようになります。これにより、大きなタスクを細分化して管理したり、階層的なカテゴリ分けをしたりすることが可能になります。
サブアイテムはビューのオプションから設定可能(画像)
カスタマイズをクリック サブアイテムを有効化
依存関係
依存関係も自己参照リレーションの重要な活用例です。あるタスクが別のタスクの完了を前提としている場合や、アイテム間の前後関係を明示したい場合に使用します。
WBS やガントチャートを作りたい場合に、特に重宝する機能です。
Notion で作成したガントチャートの例
依存関係もビューのオプションから設定可能(画像)
サブアイテムを有効化
Notionリレーションの活用事例
タスク管理とプロジェクト管理
リレーション機能は、タスク管理やプロジェクト管理をする際に非常に効果的です。この連携により、プロジェクト全体の進捗状況を俯瞰しながら、個々のタスクを効率的に管理することができます。
プロジェクト管理のサンプル
顧客管理と議事録
もう一つの代表的な活用例が、顧客管理と議事録の連携です。顧客との打ち合わせや商談の議事録を、顧客情報と紐づけて管理することで、過去の対応履歴を簡単に参照できるようになります。
具体的には、「顧客データベース」と「議事録データベース」を用意し、議事録データベースに「関連顧客」というリレーションプロパティを追加します。各議事録には、その内容が関連する顧客を設定します。
顧客に紐づいた議事録データのみが表示
リレーションと合わせて使いたい「ロールアップ機能」
ロールアップは、リレーションで連携したデータベースの情報を集計・表示するための機能です。リレーションがデータベース同士を「繋げる」役割なら、ロールアップは繋げた先のデータから「必要な情報を取り出して計算する」役割を担います。
リレーションだけでは、単に別のデータベースの項目を参照できるだけですが、ロールアップを使うことで、リレーション先のデータを様々な方法で集計・加工して表示できるようになります。例えば、プロジェクトに紐づくタスクの数を数えたり、完了している割合を自動計算したりといった処理が可能になります。
ロールアップの設定方法
ロールアップ機能を使うためには、必ず先にリレーションを設定しておく必要があります。下記の操作をおこなうことで、データベースにロールアップを設定することが可能です。
1. ロールアッププロパティを追加する
プロパティからロールアップを選択
2. リレーション/プロパティ/計算を選択する
今回は、プロジェクトに紐づくタスクの完了率を表示させる設定にしています。
プロパティからロールアップを選択
ロールアップの設定を行うことで、完了率が自動で集計されるようになります。 完了率が自動計算
ロールアップの計算の種類(件数、合計、平均など)
ロールアップでは、様々な計算方法を選択できます。 他にもさまざまな集計が可能
- カウント:リレーションで関連付けられたアイテムの数を数えます。例えば、プロジェクトに紐づくタスクの総数などを集計可能です。一意の数のカウントや、値が入っているもののみカウントさせることもできます。
- 合計:数値プロパティの合計を計算します。例えば、顧客の全注文金額の合計。
- 平均:数値プロパティの平均値を計算します。例えば、プロジェクトに関連するタスクの平均所要時などが計算可能です。。
- Min(最小値)/Max(最大値):最小値または最大値を表示します。例えば、プロジェクト内の最も早い期限や最も遅い期限。
- 元の値を表示:リレーション先の元の値をそのまま表示します。
よくある質問
ロールアップと数式は何が違うのですか?
ロールアップでできることは基本的に 数式機能 でも実現可能です。合計やカウント、平均などの簡易的な集計であればロールアップ、それ以上難しいものは数式を使用するのがオススメです。